吸血鬼の都アンシルヴァル・後編
『銀の指のダリヤ』の戦技はホールの天井に隠されていたと思われる、無数の球体関節の人形たちを呼びだした。道化のようなもの、すらりとした少女のようなもの、騎士のようなもの、太った巨人のようなものと、その見た目は様々だったが、どれもその表情は硬直した笑いであり、またその手には凶悪な返しや鋸刃のついた、どぎつい刃物が握られてる。
『銀の指のダリヤ』は伏し目がちな微笑みを浮かべる。
「試練に挑む方ならご存知でしょう『吸血鬼の膂力』の事は。末端の吸血鬼でさえ、大人の男十一人分の膂力を持ちます。そして真祖たる私のそれは一人で大船の船曳きが出来るほどのもの。ゆえに私はその力を人形使いに応用したのです」
「みんな、集まって! 結界で凌ぐから!」
シルニィのよどみない口調での呼びかけに、眠り女たちは驚きつつも一つ所に集まる。
「眠る女神は秘される花。寝所の守りはたおやかにして強靭に、あり得ぬ不可視のケープの如く! 朝霧の如く見えず、夜露の如くあり、理と共に鉄壁として在るべし!」
──女神の寝所の護り。
半球状の透明な力場が一瞬展開した。眠り女たちを串刺しにすべく落ちてきた人形たちの刃は、澄んだ音と共に弾かれて飛ばされる。
彫像の台に寄りかかって眺めているエリザベートが妖艶に微笑んだ。
「ほう、女神の寝所を護る猫とは珍しいものを連れて来ているな。もう少し力を見たら、わらわも遊んでやろう」
ダリヤが呼応するかのように右手を上げ、左手で何かを引き寄せるような動作をする。
「自動人形、弓兵! クルヴァ・ロの魔弓の射手たちよ!」
刃を持った球体関節の人形たちはするすると暗い天井に姿を消し、次は羽根つき帽子に黒い革のベストを着た、長弓の射手たちが降りてきた。
「この射手たちの魔弓には、かつてずいぶん苦労したものです。それだけに、威力は保証いたしますよ?」
「クルヴァ・ロだと? 失われた『吸血鬼狩りの国』の連中か!」
ギゼは古い言い伝えを思い出していた。『血の神マリス』が古代に創り出したとされる、『吸血鬼狩りの種族』クルヴァ・ロの民。吸血鬼と同じ能力を持ちながら、牙を持たず血を吸わず、ひたすら吸血鬼を狩り続ける種族と伝わる。
黒い矢じりの矢が一斉に打ち込まれたが、何もない場所、おそらく結界の表面で静止したそれらは、矢を中心として円状に魔法の文字が展開し始めた。
「だめ、結界に食い込んで少しずつ隙間を作る術式みたい。これは祈願の力に近いから防ぎきれないよ!」
シルニィが悲痛な声で叫ぶ。
「なるほど、神聖な力には神聖な力か!」
ギゼは背中の曲剣を抜いた。ベネリスは槍を水平に掲げて何らかの祈願に集中しており、メルトもまた重い杖を構えて何らかの詠唱を行っている。
「吸血鬼相手なら、本気で行かせてもらうわ!」
いち早くクームが赤と青の光を放つ二つの水晶球を取り出した。
「万の矢を焼き尽くす、槍持つ炎のハイダルよ! 清く然るべくあるがごとく、闇と邪悪を焼き払うべく来たれ!」
赤い水晶球の輝きは増し、炎の渦と共にダギのような頭と逞しい人の身体を持つ炎の存在が現れた。焼けた木が爆ぜる時の音にも似た声で、ダギとも人ともつかない存在が叫ぶ。
──おお、焼き払うべき闇と邪悪がここに! 炎の壁よ!
シルニィの『女神の寝所の護り』の場の外側に、ぐるりと炎の壁が立ち上がる。直後、クルヴァ・ロの弓兵の矢が放たれたが、それらは全て炎の壁で焼き尽くされた。
「良い選択です。炎の上位精霊、『燃える槍のハイダル』ですか、なかなかの精霊使いがいますね。私の人形に炎は相性が悪い……! 対策はしてありますが、たかだか試練にすべて見せる事もないでしょう」
ダリヤは嬉し気に微笑む。ここで、エリザベートが前に進み出て、ドレスの右肩の生地を引き剥いだ。もとから分離する仕様だったらしく、黒革の長手袋と下着の釣り紐が露わになり、高貴さにどこか倒錯した危険な美の漂う姿に変わる。
「どれ、少し遊んでやろう。古き予言にある強き男の気配がするゆえ、ある程度は加減して戦ってやるが、つまらぬ戦いをするなら我が魔具でお前たちは辱めに逢う事になるぞ? 木馬の上で豚のように啼かされるのが嫌なら、わらわに力を示す事だな! ……ゴステロ、グバルグ! 戯れに処せ!」
エリザベートは精巧な細工のされた小さな木槌で厳めしく空を叩いた。空気が震え、処刑用の大斧を両手に持ち、頭巾をかぶった巨人と、同じく大きな首挽き鋸を両手に持った鉄仮面の巨人が現れる。
──嗜虐の女王の儀礼槌
古代、邪魔な吸血鬼の王族を全て滅ぼしたヴァルキルド王は、容易には死なない捕えた吸血鬼たちに、あらゆる拷問をしたと伝わる。その苦悶の魂を元に様々な拷問器具を魔具にして創り上げ、さらにその行使を一つの儀礼槌で可能にした恐るべき魔具と伝わっている。
その魔具を、現在はヴァルキルド王の娘、エリザベートが引き継いでいた。
「来ましたわね! 知っておりますとも!」
ベネリスは祈願を終え、王家の槍を拝領するように掲げた。青白く輝く大鷲の幻影が降りたち、王家の槍にとまる。大鷲は勇壮な叫び声をあげると青白い幻影の炎に姿を変え、槍を纏う炎となり、幻影のように見事な鷲を模した斧槍となった。
──ヘルセスの大鷲の斧槍。
美しき大鷲、軍神ヘルセスの高位の司祭でもあるベネリスが行使できる特別な祈願の一つだった。大鷲の眼は敵の攻撃や弱点を見抜く視点を与え、伸展する攻撃を可能にし、青い炎と風を纏った攻撃を可能にするとされている。
「行きます!」
ベネリスは迫りくる巨人の処刑人に立ち向かう。
「もう一体は私が引き受けますから!」
叫ぶメルト。
「ベネリス殿、助太刀するぞ! ヒュドラよ! 地を這う火炎を吐け!」
身体を引き絞り、下段から上段へとギゼの幻獣剣が弧を描く。疾走する炎の斬撃が斧を持つ覆面の巨人の左手首を傷つけた。
──アアアァァ! 首ヲ刎ネテ飴ミタイニネブッテヤル!
覆面の巨人は怒りで狂乱状態になったが、一瞬足が止まった。ベネリスは斧槍を中段に構え、練達の歩法で突進する。その背に青白い大鷲の翼が開き、流星のような勢いで加速すると、覆面の巨人の足の間を通り抜け、神聖な翼がその両足を焼き切った。
重い音を立てて、覆面の巨人が背中から倒れ込む。
──イデェ……!
「まだです!」
ベネリスは風車のように斧槍を回して構え直し、空中に飛びあがると、大上段から青い炎の斬撃を放ち、巨人ゴステロの首を刎ねた。ゴステロの姿は幻影のように消える。
「なるほど、さすがはバルドスタの戦女神だ。血の気が多い所は好感が持てるな」
エリザベートは気だるげに拍手をする。
「さて、グバルグと相対するのは巨人にしては小さな娘のようだが……ほう、また面白いな」
鉄仮面の巨人グバルグは、威圧的に走ってきてはメルトを真っ二つにすべく首曳き鋸を横一文字に振った。しかし重い金属音と火花と共にその斬撃が止められてしまった。
メルトの背後に、目出し兜に立派な髭、輪繋ぎ鎧(※リングメイルの事)の巨人の戦士が現れており、珍しいことにその両腕の籠手から剣が伸びていた。その左腕の剣がグバルグの鋸を止めている。
「ほう、あれはヨルスタの古き巨人の剣士、ユバルと似ているようだが?」
独り言ちたエリザベートの隣に、ダリヤが現れ、着地する。
「どうにもそのようですね。失われる運命だった巨人の力を使う者とは」
──なんじゃ、吸血鬼と化した巨人か。我らが仲間とは言い難いのう。心曇れば、武もまた曇るというものよ。鋸使いよ、わしが一つ稽古をつけてやろう。このヨルスタ一の剣士ユバルがのう。
──ウルセエ!
グバルグはさらに左手の首挽き鋸を上段から振り下ろそうとしたが、その手首の腱をユバルの剣が斬り、鋸が後方に吹っ飛んで大きな音をたてた。
──クソッ!
悪態をつきつつ、鉄仮面の巨人は止められていた鋸を引こうとしたが、ユバルの剣がその喉元に突きつけられる。
──詰みじゃぞ、お前さん。
「ふむ、やはりか。こいつらは弱い者はいたぶり慣れているが、ユバルにはいささか歯が立つまいな」
「何よりこの者たちの血の力、それぞれ個性がありますが、孤独と結びつきつつも、妙に強い男の気配が背後に見え隠れしています。これは……」
「時が満ちたな。ダリヤは暴れ足りないのではないか?」
「エリザベート様こそ。しかし、時が近いなら無闇に戦力を失う必要も無いかと」
「どうかのう? お前はいささか人形たちを大事にし過ぎるきらいがあるからな」
「お見通しでしたか?」
ばつが悪そうに笑うダリヤに対し、エリザベートはため息をついた。
「我が刑具やギロチンを揮うも良いが、わらわは戦いと血に高ぶると目的を見失いがちだ。この者たちの実力は高いが、ゆえに無駄な戦いをしてはならんな」
「同意にございます」
エリザベートは一歩踏み出すと、何かを打ち消すように手のひらを一度打ち鳴らした。
「良し。試練はここまでとする!」
巨人グバルグの姿が消えた。
「終わりですか? 伝え聞いているよりずいぶんと容易ですが……」
困惑するベネリスに、エリザベートが問うた。
「不満かや? 一つ聞くが、おまえたち、誰か共通の屈強な男とかかわりがあるか? それぞれの血は孤独の宿命による清純さが感じられるが、同時に何者かの強大な力の気配がする」
「私たちは現在、魔の国キルシェイドにおいて、今だ目覚めぬ眠り人様の眠り女を務めている者です。その方は確かに屈強そうな体つきをしていますね」
最初に答えたのはメルトだった。
「確かに、眠り人殿は鍛え抜かれた男の身体をしてはいる。我ら古き民というよりは、人間よりの体格だとは思うが」
次にギゼ。
「屈強な男の多いわがバルドスタでも、あまり多くない部類に入るほどには鍛えられた身体をしている方ですわね」
ベネリスの見解だった。
対して、腕を組み一瞬思案するエリザベート。
「……ふむ、やはりな。待ち人は来たか。この欺瞞に満ちた試練も今日で終わりのようだな」
「欺瞞に満ちた? それはどのような意味ですか? 待ち人と仰いましたか?」
ここで、クームは炎の精霊ハイダルを水晶球に戻し、シルニィも結界を解除した。二人の吸血鬼の女王の召喚体は既に全く敵意を消しており、ダリヤも指包みをいつの間にか消して貴族らしい衣装に変わっていた。
「立ち話もどうかと思いますし、椅子でもどうぞ」
ダリヤの無機質な声とともに、暗い天井から武器を持たない球体関節の人形たちがするすると降りてきた。人形たちはそれぞれの眠り女のそばで四つん這いの姿勢を取る。その背には上質な古めかしい敷物が縫われていた。
「その子たちはただの椅子です。害意はありません」
「はぁ……」
ベネリスを筆頭に、眠り女たちは困惑しながらも椅子人形の背に座った。ダリヤとエリザベートも同じように座る。
「して、ベネリスと申したか? お前、アルカディアに何かされたろう? わらわもじゃ」
「なぜそれを? エリザベート……様も、私と同じ目に?」
「あの忌々しいアルカディア、あれはな、わらわやお前のような、黄金の髪に背が高めで堂々たる美女が好みなのだ。あのちび助のクソ女め、マリス様やクロエ様、そしてダリヤの存在の保証と引き換えに、しばらくわらわに愛人の真似事をさせおったのだ。許せぬ!」
エリザベートは自分たちの石像が置いてある台座の角を粉々に握りつぶし、恐ろし気な音と共に石の粉が飛び散った。
「おいたわしや、エリザベート様……」
ダリヤは顔を伏せ、長くはない銀髪が哀し気にこぼれた。
「……そんな事が?」
なぜ自分にアルカディアが大金を貸したのか、ようやくその意図が全てのみ込めたベネリスだったが、複雑な気持ちは拭い去れなかった。
「しかしな、全ては巧妙に編まれた壮大な運命の織物なのだ。わらわたちはその一糸または柄として編み込まれており、この運命もまたその一部だ。だから長い時を待ち続けていた。いつか、この日が来るとな」
「私も、長い間待ち続けておりました」
狂気に満ちた存在ともされるエリザベートだったが、その遠いまなざしは確かに上位魔族の遠大な知性を感じさせるものだった。それは同意するダリヤも同じだった
「つまり、私たちが待ち人だったと? いえ、眠り人様が?」
目覚めの兆候が見えない眠り人に関して、ここで新たな手掛かりが得られたことがベネリスにはとても心強く感じられていた。
「そうだ。全てはいずれ紐解かれる。しかし大切なのは、この長き時と運命の中で、わらわがお前と同じ因縁を持ち、やがてあのクソ女にやり返して復活し、あの女を捕えて服を全て剥ぎ、刑具の木馬に乗せて豚のように啼かせてやれる日が来ることだ!」
エリザベートの吸血鬼の瞳が激しい怒りで熾火のように燃えた。同じく、ダリヤの目も燃える。
「私の目の前で美しいエリザベート様に数々のみだらな所業をした女は、いずれあの目をくりぬいて標本にし、魔の都の『驚愕の市場』で売り払ってやるつもりです。その魂は我が人形に込め、長き時を便所の椅子として過ごさせてやりましょう」
広間の空気自体が怒りに満ちていたが、その空気は意外な一言で変わった。
「ベネリス……帰ろうよ。この人たち……怖い……」
シルニィが二人の女王の残虐さと怒りに怯えている。
「私もそのほうが良いような気がします。アルカディアさんにやり返したい気持ちはわかりますけど、この人たちに関わるのもどうなのかなって」
メルトも困惑していた。
「まあ私も、『吸血の剣』にアルカディアを討ち破る秘密があるとは聞いていたけど、何だかめんどくさそうね。そもそも邪悪な力に関わるって事でしょ?」
ため息交じりに語るクーム。
「伝え聞くところによれば、この『剣の試練』はもっと激しいものだと聞いていたが、いささか拍子抜けだな。我々が待ち人だったのなら納得はできるが、試練がそこまでではないとなると、ベネリス殿は見えざる代価を払わされるのではないか?」
必要以上に何かを得る事には災いが伴う、とする古き民らしい考え方で、ギゼはこの状況を分析した。
「しかし、試練を望んだのはお前たちだし、このまま帰るのも自由であるぞ?」
「その通りです」
エリザベートとダリヤはそう言って沈黙した。視線はおのずとベネリスに移る。
「受け取ります。運命を動かし、時の波に乗り、決してそれに呑まれぬようにあがく事こそ、私の……いえ、人の姿だと思いますから。まして、眠り人様が屈強な良き男だった場合、私は恥を雪がねばなりませんしね」
「よくわかっておるな。覚悟が全てを決定するのだ。運命だけではない」
エリザベートは狂気の全くない女王らしい笑みを浮かべた。
「私は進みます。所詮、血塗られた道ですから。手に取りましょう、吸血の剣を!」
ベネリスは立ち上がり、二人の吸血鬼の女王の前に進み出た。
「良かろう。手にし、そしていずれ取り戻すと良い。わらわたちの心臓を! それを成したお前の覚悟と行いに、血の神マリス、そして父なるオド(※吸血鬼たちの崇める血の神)は必ず微笑むであろう!」
旋風が舞い、二人の女王は白い粉交じりの風となって白金の壺の中に消えた。騎士叙勲の石像が手にしていた剣と短剣は赤い光の玉となり、ベネリスの前で再び一対の剣と短剣となる。
ベネリスは二振りの剣を手にし、暗い茜色の瞳が強い決意の光を帯びた。
「帰りましょう、皆さま」
「もう少し戦いたかったが、うむ、全員無事を良しとしようか。ベネリス殿、あなたの道が報われることを」
ギゼはベネリスの決意を尊重して、その道が絶えない事を願った。
こうして、『黒い城の森』から吸血鬼の都アンシルヴァルに戻ったベネリス一行は、まずその人の多さと雰囲気の違いに驚愕した。
「どういう事ですの?」
陰鬱な雰囲気で人っ子一人いなかった吸血鬼の都は、今は老若男女様々な吸血鬼と、おそらく吸血鬼と深い関係にあるそれ以外の種族の人々とで大いににぎわっている。
「何か、来た時とは何かが大きく違うわね? 何かしら?」
怪訝そうにするクーム。
確かに、来た時とは何かが大きく異なっている気がするが、人が多い以外のその何かが分からなかった。不気味な違和感に冷や汗が流れるようだったが、ベネリス一行は街の中心部、転移門があると思しき広場へと向かった。
守護獣の噴水と転移門のある広場にたどり着くと、そこには魔城の案内をした三人の吸血鬼の一人、痩身の男が手紙のような文書を携えて待っていた。
「あなたは!」
痩身の吸血鬼は深々と一礼する。
「大切なことを伝え忘れておりました。あの黒水城も、このアンシルヴァルも、現世のウロンダリアとはかなり時の流れが違います。あなた方眠り女は、普通の手段では元の時代に戻れないとの事」
「何ですって⁉」
驚きの声を上げるベネリスたち。しかし、吸血鬼は話を続けた。
「夢魔リリムのチェルシー姫から書状と、不思議な添え状が届いております。各自、それを手に転移門をくぐれば、然るべき時代と場所にたどり着けるとの事。どうぞ」
差し出された書状の文面を見て、ベネリスたちはさらに驚きの声を上げる。
──眠り人は目覚めました。夢の力で時代を固定する添え状を送りますので、皆さん自分あてのものを手にして、一人ずつ、転移門をくぐって下さい。添え状なしだったり、誰かと一緒に転移門をくぐると、どこのどの時代に飛ばされるかわかりませんから気を付けて!
「……何という事、本当に気が抜けませんわね。そして、目覚めて下さったのですね」
まるで決意が道を切り開いたように感じたベネリスは、安堵の微笑みを浮かべた。
こうして、ベネリスたちは吸血鬼の都を後にしてウロンダリアに戻ったが、到着はそれぞれがばらばらの時間で異なる場所の転移門だった。ここでまた別の物語があったのだが、それはまた別の機会に語られる事となる。
初稿2021.07.13
コメント
短編ながら中身が特濃の物語を読ませていただきました。背後に深い設定がある演出や仕掛けも相俟って終始興奮しっぱなしです。そして最後、大切なファクターはやっぱり「決断」ですよね。カッコいい。ファンタジーの可能性、ここに極まれり。
ありがとうございます!
戦いの顛末と彼女の決断、楽しんでいただけましたでしょうか?