『ダークスレイヤーの帰還』

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第十三話 精霊の船サナラ・アルラ

第十三話 精霊の船サナラ・アルラ 『二つの世界樹せかいじゅの都』テア・ユグラ・リーア、湖上大桟橋こじょうだいさんばしの広場。 空賊くうぞくとその中に紛れ込んでいたクレン・ルフ公国の兵士たちについての審問しんもんを終えたルインは、大桟橋から行...
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第十二話 空賊の顛末

第十二話 空賊の顛末 不帰かえらずの地、二つの世界樹の都を臨む丘。 魔の国と聖王国の記録官と共に即席の席に着いたルインは、うっすらと目に怨嗟えんさの火を宿しつつ空賊くうぞくたちを検分していた。その背後には『ウロンダリアの真珠』ネイ・イズニー...
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第十一話 空賊と黒い花

第十一話 空賊と黒い花 『二つの世界樹の都』近くの丘と駐屯地ちゅうとんち。 駐屯地のほぼ全員が戦いに備える中、ルインは再び見晴らしの良い地点に戻って彼方の光を見やった。 近づいてくる明滅めいめつする三つの光は、次第に飛空艇としての形がはっき...
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第十話 眠らない眠り人

第十話 眠らない眠り人 黒曜石の都オブスグンド、西の櫓やぐら。大浴場の脱衣室。 『黒き国』オーンの国境封鎖について聞いていたファリスは、チェルシーが把握していた限りの異常事態を聞き終わったのち、少しだけ考えるように腕を組んだ。普段はゆったり...
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第九話 狼の魔女ファリス

第九話 狼の魔女ファリス 魔の都、眠り人の拠点『西の櫓やぐら』、大浴場。 ルインとの会話で少し元気の出たシェアは、さらに気分を変えようと大浴場に来ていた。つい最近、ルインが湯につかっている時に少し変わった出来事が起きたらしいが、詳しい話は聞...
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第八話 黒狼サバルの森

第八話 黒狼サバルの森 古ウロンダリア南西『サバルタの古き森』。 全滅したモーダス共和国探索隊の炊事係だった男、ラジャックは深い夢の中にいた。 夏は一面の緑だった森が、冬の近づいた今は葉が全て落ちて緩やかな起伏がどこまでも続いている。そんな...
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第七話 異変と陰謀と・後編

第七話 異変と陰謀と・後編 南方新王国と『サバルタの黒き森』の中間の識外しきがいの地。 ウレド率いるモーダス共和国の密命を帯びた総勢三百名ほどの探索隊は、古き狩猟の神モーンの神像が示唆する問題に対して、『狼を攻撃するな』という厳命を出すのみ...
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第六話 異変と陰謀と・中編

第六話 異変と陰謀と・中編 それは『キルシェイドの眠り人』こと、ルインたちが『二つの世界樹の都』と共にウロンダリアに帰還した頃。──南方新王国、モーダス共和国の水銀鉱山都市ゼイド近郊にある、とある施設。 鉱毒こうどくで荒れた赤茶けた原野のた...
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第五話 異変と陰謀と・前編

第五話 異変と陰謀と・前編 物語は半月ほど前、ウロンダリアに『二つの世界樹の都』が現れた頃にさかのぼる。 古王国、黒き国オーンに隣接する山間の小国シハルの小さな村、クレテ。 大きな山の山腹の段地に存在するその村の、山道からややはずれた小さな...
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第四話 混沌の花の神ヴァラリス

第四話 混沌の花の神ヴァラリス 西の櫓やぐら、大浴場だったはずの未知の領域。『咲き乱れる妖花の女王』こと混沌カオスの花の神ヴァラリスは、チェルシーの介入に大いに狼狽うろたええていた。「この領域にいる私を討伐する気か? しかし、これは我が本体...