『ダークスレイヤーの帰還』

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第六話 ゴシュと骨付き肉・中編

第六話 ゴシュと骨付き肉・中編 かがり火を増やしたゴシュたちの砦とりででは、台の上で胡坐あぐらをかき治療を受けていたギャレドが大声で指示を出し続けていた。祈祷師きとうしが失った左腕の付け根に緑色の粘性の高い霊薬れいやくを塗り続けており、脂汗...
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第五話 ゴシュと骨付き肉・前編

第五話 ゴシュと骨付き肉・前編──ゴシュの語る回想。 ゴシュの頭を、古い革鎧の匂いのする手が少し乱暴に撫でていた。「よう娘っ子! 今日は縞狼しまおおかみを見つけてな。可哀想に母狼は人間に半矢はんや(※矢が刺さってもとどめに至らずとり逃してし...
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第四話 不帰の地と、うごめく闇

第四話 不帰の地と、うごめく闇 一か月ほど前。 魔の国キルシェイドの南方、古代の地名ではヴァンセンと呼ばれていた地域。現在は『不帰かえらずの地』と呼ばれる地域の森の中を、四人の冒険者が探索していた。 彼らは大プロマキス帝国の由緒ある探索者た...
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第三話 ギゼとシトラ

第三話 ギゼとシトラ 夜もだいぶ更けた西の櫓やぐらのルインの部屋には、まだ煌々と光を放つ水晶と魔導の灯火の明かりが灯っている。「……よって、我が国セレウロは小国ではありますが……」 腕輪の姉妹の妹レティスの心揺らす美声が古王国の小国からの挨...
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第二話 眠れぬ夜の密談

第二話 眠れぬ夜の密談 影人かげびとの皇女クロウディアは、しばしば見る悪夢の中にいた。「ダーサお父様、マヌお母様!」 影人の帝国、インス・オムブラの繊細かつ荘厳な宮殿、アンルーシェの広間を、クロウディアは両親の名を叫びつつ走っていた。──ク...
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第一話 緑肌の娘と、狼の魔女

第一話 緑肌の娘と、狼の魔女 春も深まる魔の都オブスグンドの『西の櫓やぐら』では、眠り女たちが広いバルコニーで手合わせや鍛錬をしており、その掛け声を遠くに聞きつつ、ルインとチェルシーはウロンダリアの地図を広げて、古代の魔王スラングロードの城...
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吸血鬼の都アンシルヴァル・前編

吸血鬼の都アンシルヴァル・前編──これは、眠り人ルインが目覚める少し前の話。 ウロンダリアは黒曜石こくようせきの都オブスグンド。その大城壁の西の櫓やぐら、眠り人の寝所。「チェルシーさん、眠り人様は今日もお目覚めには?」 暗い茜色あかねいろの...
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落花流水、泥沼蓮華

落花流水らっかりゅうすい、泥沼蓮華でいしょうれんか 魔の国キルシェイドの黒曜石の都オブスグンド、ある夜の西の櫓やぐら。 金庫室で帳簿ちょうぼの管理をしていたチェルシー、アゼリア、シェアの三人は、今月の寄贈金きぞうきんの収益、支出のまとめを終...
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詩人に手向ける夜の詩

詩人に手向ける夜の詩うた 広大なる魔の国は『黒曜石こくようせきの都』。その都を取り囲む大城壁の『西の櫓やぐら』 かつて『混沌カオス』の神々との決戦を見越して建造された乱世の都は、その傾斜した大城壁も町の建物も全てが魔力に満ちた黒曜石で出来て...
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北のアンスリノラと、物知りカルラ(第五章予告編)

北のアンスリノラと、物知りカルラ(第五章予告編) ウロンダリア北方、『氷の巨人の国』ハインランドに囲まれた、古い飛び地の城塞都市じょうさいとしアンスリノラ。 『天空に届く氷』と謡うたわれる氷に閉ざされた高い山脈の中にあって、このアンスリノラ...