NOVEL

『ダークスレイヤーの帰還』

白き竜は神聖乙女を乗せて

白き竜は神聖乙女イス・ファルタを乗せて 工人アーキタの都市国家とバルドスタの騒乱が落ち着いた日の未明。 聖王国エルナシーサの薄明の空中庭園の中央に一筋の光が落ち、重厚な聖扉せいひが現れると、神聖乙女イス・ファルタラルセニアと、肩に乗ったイタ...
NOVEL

ウロンダリアの国々と地理

※無限世界とウロンダリアの位置関係ついて 広大な無限世界イスターナルの中にウロンダリアがぽつりと存在しており、ウロンダリアだけは比較的容易に無限世界を観測しやすい条件がある。これは『巨神の裂け目』と呼ばれる世界の亀裂がウロンダリアには非常に...
NOVEL

無限世界について

主物質界(プライマ・リア) 私たち人間が何とか肉体のままで行ける世界、と理解すると良いだろう。いわゆる物質界の事をこの物語世界では主物質界プライマ・リアと呼ぶ。以下に主物質界プライマ・リアの範囲となる各世界について説明する。無限世界(イスタ...
CHARACTER

魔の都の西の櫓、眠り人と眠り女ほか

魔の都の西の櫓、眠り人と眠り女ほか眠り人ルイン 本編の主人公で、ウロンダリアにしばしば現れる『眠り人』の予言に無かった二十一番目の男。その正体は無限世界イスターナルの構造に異を唱えて戦い続け、最悪の存在とされた『名を消されし者』ダークスレイ...
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鉛の剣士バラク・後編

鉛の剣士バラク・後編 南方新王国、大プロマキス帝国領ザウーナ自治区、自治省所在地カプア。 円形闘技場は満員を超える観客たちを収容していたが、その様子からは考えられないほどに静寂が支配している。裁判官や審査員しんさいん、検察官けんさつかんに、...
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鉛の剣士バラク・前編

鉛の剣士バラク・前編 南方新王国、大プロマキス帝国領ザウーナ自治区、自治省所在地カプア。 大きな円形闘技場近くの飲み屋街ではしばしば、この街の花形の職業である仇討ち請負人たちの議論が紛糾ふんきゅうしていた。今夜は特に、古くから歴史のある、ほ...
『ダークスレイヤーの帰還』

陽炎の憂い・後編

陽炎かげろうの憂い・後編 無限世界イスターナルのかつて見捨てられた地ウダル・カ・ラ。破局噴火にも奇跡的に残ったマリーシア神殿。 陽炎かげろうの武神マリーシアと、『闇の王』ゴルムオーズの静かな対峙を最初に破ったのはゴルムオーズだった。「黙れ界...
『ダークスレイヤーの帰還』

陽炎の憂い・前編

陽炎かげろうの憂い・前編 無限世界イスターナルの遠い昔。界央セトラの地を取り巻く十の『至聖下しせいかの地』の一つ。『栄光』の地平、ホーダー。 後の時代に『原初げんしょの大征伐だいせいばつ』と呼ばれる原始世界の平定を行った神々は、そのほとんど...
『ダークスレイヤーの帰還』

氷獄のふたり・後編

氷獄クエリスのふたり・後編 無限世界イスターナルの外側、世界の終焉とされる凍てついた領域、氷獄クエリス。 崩落と共に開いた巨大な暗い縦穴を、三眼有角の黒馬に乗ったダークスレイヤーとサーリャは静かに降下していた。 もともと暗い領域である氷獄ク...
『ダークスレイヤーの帰還』

氷獄のふたり・前編

氷獄クエリスのふたり・前編 無限世界イスターナル及び各世界の冷たい最果て、氷獄クエリス。 氷の花が永劫の吹雪に揺らぐ様を氷の月が冴え冴えと照らす。そんな冷たい静寂を見下ろす氷の山脈の頂で『氷の女王』サーリャは氷塊に座して静かに瞑想していた。...