NOVEL

『ダークスレイヤーの帰還』

第七話 異変と陰謀と・後編

第七話 異変と陰謀と・後編 南方新王国と『サバルタの黒き森』の中間の識外しきがいの地。 ウレド率いるモーダス共和国の密命を帯びた総勢三百名ほどの探索隊は、古き狩猟の神モーンの神像が示唆する問題に対して、『狼を攻撃するな』という厳命を出すのみ...
『ダークスレイヤーの帰還』

第六話 異変と陰謀と・中編

第六話 異変と陰謀と・中編 それは『キルシェイドの眠り人』こと、ルインたちが『二つの世界樹の都』と共にウロンダリアに帰還した頃。──南方新王国、モーダス共和国の水銀鉱山都市ゼイド近郊にある、とある施設。 鉱毒こうどくで荒れた赤茶けた原野のた...
『ダークスレイヤーの帰還』

第五話 異変と陰謀と・前編

第五話 異変と陰謀と・前編 物語は半月ほど前、ウロンダリアに『二つの世界樹の都』が現れた頃にさかのぼる。 古王国、黒き国オーンに隣接する山間の小国シハルの小さな村、クレテ。 大きな山の山腹の段地に存在するその村の、山道からややはずれた小さな...
『ダークスレイヤーの帰還』

第四話 混沌の花の神ヴァラリス

第四話 混沌の花の神ヴァラリス 西の櫓やぐら、大浴場だったはずの未知の領域。『咲き乱れる妖花の女王』こと混沌カオスの花の神ヴァラリスは、チェルシーの介入に大いに狼狽うろたええていた。「この領域にいる私を討伐する気か? しかし、これは我が本体...
『ダークスレイヤーの帰還』

第三話 ヴァラリスの呼び声

第三話・ヴァラリスの呼び声 魔の都、西の櫓やぐら。「ルイン、おかえりなさい!」 シルニィから受け取った手紙を読むべく階段を上るルインに、階上から覗き込むようにしてクロウディアが声をかけた。いつもの勝色かちいろのドレスに肩にショールを掛けた装...
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第二話 再会そして

第二話 再会そして ウロンダリア、不帰かえらずの地ヴァンセンの丘。「ところでバゼリナ、皆、世界樹せかいじゅの都での戦い以来君の事を聞かないし、こうしてたまにしか姿を現さないが、これはどういう仕掛けになってる?」 幾つかの黒紫の帷幕いばくが広...
『ダークスレイヤーの帰還』

第一話 予感

第一話 予感 ウロンダリアに『二つの世界樹せかいじゅの都』テア・ユグラ・リーアが現れて一ヶ月が経過していた。 魔の国と聖王国は『不帰かえらずの地』におけるベオ・ヤイヴの一氏族しぞく、『ギャレドの氏族』の謎の全滅の真相と、『古都ことの門』の仕...
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特典編・ガリエルは永劫回帰獄に至りて

特典編・ガリエルは永劫回帰獄ネザーメアに至りて ハーダルの地で軍勢ともどもダークスレイヤーに敗れたマスティマ・ガリエルは、暗黒の中を落ち続けている自分に気付いた。(暗い……。何という暗さよ……) ただひたすら落ちている感覚があるだけで、どれ...
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後編・彼らが恐れるのは、あなただけ……

後編・彼らが恐れるのは、あなただけ…… 空を満たす翼ある巨大な人の姿をした存在、光体こうたいとして光の巨人の姿を取ったマスティマ・ダキエルとルギエルは、両手から双方向に伸びた二対四刃の光の剣を持ち、それぞれが光球のように密な剣閃を放ち続け、...
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中編・溶鉄の雨

中編・溶鉄ようてつの雨 宴席にいたマスティマたちは燃える炎の翼を展開し、重装の鎧を感じさせぬ素早さで天に飛び立った。かつてハーダルの主神が座していたであろう玉座にはこの師団の将軍、マスティマ・ガリエルだけが残っている。 ガリエルの髑髏どくろ...