『ダークスレイヤーの帰還』 第一話 緑肌の娘と、狼の魔女 第一話 緑肌の娘と、狼の魔女 春も深まる魔の都オブスグンドの『西の櫓やぐら』では、眠り女たちが広いバルコニーで手合わせや鍛錬をしており、その掛け声を遠くに聞きつつ、ルインとチェルシーはウロンダリアの地図を広げて、古代の魔王スラングロードの城... 2024.02.15 NOVEL『ダークスレイヤーの帰還』
NOVEL 吸血鬼の都アンシルヴァル・後編 吸血鬼の都アンシルヴァル・後編 『銀の指のダリヤ』の戦技せんぎはホールの天井に隠されていたと思われる、無数の球体関節きゅうたいかんせつの人形たちを呼びだした。道化のようなもの、すらりとした少女のようなもの、騎士のようなもの、太った巨人のよう... 2024.10.29 NOVEL
『ダークスレイヤーの帰還』 吸血鬼の都アンシルヴァル・前編 吸血鬼の都アンシルヴァル・前編──これは、眠り人ルインが目覚める少し前の話。 ウロンダリアは黒曜石こくようせきの都オブスグンド。その大城壁の西の櫓やぐら、眠り人の寝所。「チェルシーさん、眠り人様は今日もお目覚めには?」 暗い茜色あかねいろの... 2024.10.23 NOVEL『ダークスレイヤーの帰還』
NOVEL 氷の碧、炎の黒 氷の碧、炎の黒※『雪の白、血の紅』のエピソードの続きとなります。──私もまた、色の無い花でいい。 無限世界イスターナルの外周を囲む冷たい終焉しゅうえんの領域、氷獄クエリス。 再び長い年月が流れていた。かつてサリヤと呼ばれ、その後氷の女王と呼... 2024.10.17 NOVEL
NOVEL 雪の白、血の紅 雪の白、血の紅──世界は愛に溢れているけれど、人の心には愛がない。私の心にも。──冷たいディレニスの碑文より。 無限世界イスターナルの辺境、冷たいディレニスという世界。 黄金の鎧よろいを着こんだ主神にして王、戦神せんしんコルベックは、快晴な... 2024.10.09 NOVEL
『ダークスレイヤーの帰還』 落花流水、泥沼蓮華 落花流水らっかりゅうすい、泥沼蓮華でいしょうれんか 魔の国キルシェイドの黒曜石の都オブスグンド、ある夜の西の櫓やぐら。 金庫室で帳簿ちょうぼの管理をしていたチェルシー、アゼリア、シェアの三人は、今月の寄贈金きぞうきんの収益、支出のまとめを終... 2024.09.24 NOVEL『ダークスレイヤーの帰還』
『ダークスレイヤーの帰還』 詩人に手向ける夜の詩 詩人に手向ける夜の詩うた 広大なる魔の国は『黒曜石こくようせきの都』。その都を取り囲む大城壁の『西の櫓やぐら』 かつて『混沌カオス』の神々との決戦を見越して建造された乱世の都は、その傾斜した大城壁も町の建物も全てが魔力に満ちた黒曜石で出来て... 2023.12.09 NOVEL『ダークスレイヤーの帰還』短編小説
NOVEL 語る言葉は詩のように 【はじめに】 ウロンダリアの伝説の武人にしてシスラ共和国建国の父、武王ガイゼリックと『美しい人』セシレの出会いの物語のひとつです。 『武王ガイゼリックと美しい人セシレ』、『剣王ドランと賢妻ユリア』、ウロンダリアでしばしば語り継がれている、有... 2024.02.03 NOVEL
『ダークスレイヤーの帰還』 北のアンスリノラと、物知りカルラ(第五章予告編) 北のアンスリノラと、物知りカルラ(第五章予告編) ウロンダリア北方、『氷の巨人の国』ハインランドに囲まれた、古い飛び地の城塞都市じょうさいとしアンスリノラ。 『天空に届く氷』と謡うたわれる氷に閉ざされた高い山脈の中にあって、このアンスリノラ... 2024.09.16 NOVEL『ダークスレイヤーの帰還』
NOVEL 第二幕 ある戦いの果て 第二幕 ある戦いの果て──全ての世界の果てにして終焉しゅうえんとされていた、凍てついた領域、氷獄クエリス。 氷でできた月の照らす空を、凍てつく空気の粉をきらきらとまとわせて、尾の長い優美な雪鳥ゆきどり(※1)が人を乗せてゆっくりと旋回してい... 2024.10.05 NOVEL