第二章

『ダークスレイヤーの帰還』

第二章・落日の瞳と眠り人

第二章・落日の瞳と眠り人 第一話 暗い瞳のベネリス ※挿絵有り ・工人の都市国家の騒乱が終わるころ、魔の都ではやんごとなくも剣呑な女の不穏な物語が始まろうとしていた。 第二話 戻り来る眠り女たち ※挿絵有り ・『暗い瞳のベネリス』の非常に厄...
NOVEL

第二章エピローグ  王女は空に手を伸ばす

第二章エピローグ  王女は空に手を伸ばす  ウラヴ王の死と、魔王ザンディールの撃破から数日が過ぎた。バルドスタのダスラの王宮は今、しばらく雌伏しふくしていた王族派の者たちが続々と戻ってきており、忙しかったその評価と役職の割り当てもだいぶ落ち...
『ダークスレイヤーの帰還』

第三十話 決戦そして夜明け

第三十話 決戦そして夜明け  燃える大樹の魔王ザンディールとの戦いは中断となり、張り詰めていたバルドスタ兵たちや眠り女、アーシェラたちに休息の時間と戦いの予定の組み直しをする時間をもたらした。  ダスラの王宮の大広間には、身分にかかわらず食...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十九話 決戦・中編

第二十九話 決戦・中編  燃える大樹の魔王ザンディールの巨大な暗黒相あんこくそうと、眠り人と二人の使徒しとの戦いが展開している中、その足元では地味な逃走と追跡が続いていた。何らかの呪文を唱えつつ魔法で強化された逃げ足で走り回るウラヴ王と、追...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十八話 決戦・前編

第二十八話 決戦・前編  作戦会議からさらに十日ほどが経過した。  バルドスタ戦教国せんきょうこくのダスラの王宮の下に広がる『屍かばねの森もり』に、ルインと眠り女たち、ハイデとアーシェラ王女が集結していた。城壁の上には投石器や大砲、攻城弓バ...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十七話 女神ヘルセスとの対話

第二十七話 女神ヘルセスとの対話  同日夜。バルドスタ戦教国せんきょうこく、ダスラの王宮。  魔導まどうのかがり火や城壁の松明たいまつは必要な場所全てに灯され、戻り始めた様々な役割の人材たちで活気を取り戻したダスラの王宮で、ベネリスことアー...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十六話 作戦会議

第二十六話 作戦会議  下層地獄界かそうじごくかいでの戦いから三日が過ぎた。『西の櫓やぐら』のしばしば打ち合わせに使われる士官室しかんしつでは、ルインとシェア、セレッサ、クーム、ギゼ、メルトが、狂乱の戦乙女ジルデガーテとの戦いの際に保護した...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十五話 雨と快晴

第二十五話 雨と快晴  セダフォル荘の一室でルインに抱き着いていたアーシェラは、涙の消えた顔を上げて素朴な疑問を口にした。 「ルイン様は私が怖くないのですか? 軍事力や、私が王族だという事を抜きにして、ですが」 「怖い? なぜ? よくわから...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十四話 怖い女

第二十四話 怖い女  何らかの力が働いたのか、アーシェラは不思議な眠りに落ち、その夢の世界にいた。 「アーシェラ、あなたは隅に置けないわね。あの人を動かすなんてさすがは我が使徒しとね」  顔を上げたアーシェラは、いつの間にかヘルセスの瀟洒し...
『ダークスレイヤーの帰還』

第二十三話 ウラヴ王の城

第二十三話 ウラヴ王の城  黒い城近くの殺風景な平原には、縦横じゅうおうに断たれた岩の戦艦せんかんの残骸ざんがいと、そこから上がる炎、切り裂かれた大柄な異形いぎょうの地獄の騎士、貴族、侯爵などの死体が散らばっていた。 「悪いな。一対多の時は...